(産経ニュース・運動部編集委員引用)
多くのファンから応援された王子。
思うような結果が出ずに、
森の中をさまよっていた。
久しぶりに街に出ると、
オーラのある若者に出合った。
時には打ち、
時には守り、
その限りなき才能に
万人は拍手を送っていた。
王子のポケットには
ハンカチが入っていた・・・
が、
汗をぬぐうには汚れすぎていた。
ギュッと、
ポケットの中で、
王子はハンカチを握りしめた・・・
王子とは
「ハンカチ王子」
こと、
日本ハムの斎藤祐樹。
「オーラのある若者」
とは
二刀流の大谷翔平だ。
大谷は
18日の広島戦で
「5番・投手」で先発
初の二刀流を披露した。
その4日後の22日、
右肩を痛めていた斉藤が
2軍戦で
今季初の実戦登板。
2回を投げて、
無失点とまずまずの結果を残した。
早実高のエースとして
甲子園をわかせた斎藤。
2006年
夏の甲子園決勝、
駒大苫小牧高のエース、
田中将大(現楽天)との投げ合いは
球史に残るものだった。
田中はプロへ、
斎藤は早大に進学した。
2人はそれぞれの道を歩いたが、
田中は
パ・リーグを代表する投手になった
一方で、
斎藤は
2年間のプロ生活で
11勝14敗。
田中に差をつけられたのは明白。
そして
3年目の今季は
右肩を痛めた。
オールスターファン投票は
2011年に5位、
12年に1位。
今季はベスト10にも入れない。
ファンの目は
大谷や中田に向かった。
早大進学が
斎藤にとって良い選択だったのだろうか。
周囲に
「自分の描いていたものと違う」
と
こぼしていたとも聞く。
1年春のリーグ戦
開幕投手を務めた。
最終学年では主将。
常に部を支える存在だったことが
マイナスだった。
プロで通用する
野球センスを持つ斎藤にとっては、
大学時代は
試行錯誤が許される、
大事なモラトリアム期間。
もう1度、
すべてをリセットして、
「どういう投手になりたいか」
「どんな練習が必要か」
などを
考え直す時間にするべきだったのでは。
リーグ戦登板などは、
3年からでも良かった。
日本ハムの元投手コーチである
吉井理人氏は
自著
「投手論」(PHP新書)の中で、
大学時の斎藤を
「大学時代の彼は
(高校時代と比べて)
かなりレベルを落としていたなと感じた。
最も調子を落とした状態で
プロに入ることになったのは、
彼にとって不幸だった」
早大の同期で
広島に1位指名された
福井優也
西武のドラフト1位、
大石達也両投手も
成績は芳しくない。
大学4年間で
人生が変わる選手は何人もいた。
昨季の新人王
ロッテの益田だ。
市立和歌山商では控え内野手。
関西国際大入学後、
「大学で野球は終わりだから、
投手をやろう」
と
ブルペンで投げ始めたら、
いい球を投げる。
そこから投手人生が始まった。
オリックスの新人
松葉。
高校時代にヒジを痛めて、
投手から外野手に転向した。
大体大入学後、
ヒジもよくなり、
打撃投手を務めると、
いい球を投げる。
そこで投手に転向し、
オリックスに1位指名されたのだ。
2人とも、
斎藤とは違い、
自由に動ける環境があったことが幸いした。
失敗が許される中での挑戦だから、
重圧も少なかった。
とはいえ、
過去を悔いても仕方ない。
吉井氏によれば、
東尾修氏(元西武監督)のような
投手になれる素質があるという。
2年後でいいのだ。
大谷を野手に専念させるほどの
投手に成長してほしい。
そのときは
ドクロマークのハンカチを
ポケットにしのばせてはどうか。
王子から魔王への変身だ。
期待していよう。
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