日本ゴルフツアー選手権 Shishido Hills 2日目◇21日◇宍戸ヒルズCC西C(7,402ヤード・パー72)
宍戸ヒルズCC西Cを舞台に開催中の国内男子メジャー2日目。初日の大乱調で最下位タイからスタートした石川遼は8バーディ1ボギーの“65”をマーク。トータル1オーバー72位タイと予選通過には2打届かなかったが、それでも日本のファンの前で会心のゴルフを披露した。
「ボギーを叩いたらほぼ終了」そんな悲壮な決意でスタートしていった石川だが、前半から猛チャージをかけることに成功する。スタートの1番で2メートルのバーディトライを沈めてバーディ発進を決めると、続く2番ロングでもバーディを奪う。さらに3番ではバーディパットがカップに蹴られ3連続はならなかったが、続く4番5番で連続バーディ。序盤から快調にバーディを重ねていく。
前半さらに8番でバーディを奪った石川はこの時点でトータル3オーバー、予選通過も見えるスコアで折り返した。後半に入ってからは出だしの10番ロングホールで2オンに成功してバーディを奪うがその後は4ホール連続でパー。予選通過を目指す石川にとって残りのホール数が重くのしかかる。しかし15番ロングホールをバーディとして迎えた16番ショートであわやホールインワンのスーパーショット。連続バーディでトータルスコアをイーブンまで戻して奇跡の予選通過に望みをつなげた。
さらに初日最も難しかった17番ホールでセカンドショットをピン手前2.5メートルにつけてバーディチャンス。トータル1アンダーまで伸ばせば予選通過圏内に突入できたが、石川のパットは無情にもカップのふちで止まってしまいこのホールパー。続く18番ではティショットのミスから痛恨のボギーを叩いてしまい、最後の最後で奇跡の予選通過は石川の手から離れてしまった。
久しぶりの日本での試合が予選落ちとなってしまったことについて石川は「優勝争いどころか土日プレーできないのは非常に残念」と悔しさをにじませたが、一方で「自分の中では収穫もあったし、今日7アンダーで回れたのは来週からの米ツアーにつながる」と前向きにとらえていた。
今日の石川は前日まで使用していたL字タイプのエースパターからマレットタイプのパターに変更。それが奏功して初日全くと言っていいほど決まらなかった2メートル前後のチャンスを多くものにして今日のビッグスコアにつなげてみせた。さらに低い弾道のティショットやアイアンでの球筋を変えることで微妙な距離をコントロールする技など米国で培った経験や技術面の成長を随所に発揮した。予選通過こそできなかったが日本のファンの前で成長した姿を見せることができたのではないだろうか。
石川は来週から米国男子ツアーに再び参戦、今年の1番の目標である“来季のシード権獲得”を目指していく。「今日は久しぶりにビッグスコアが出せましたし、パターのリズムもつかむことができました。これを米国での戦いにつなげられたら…」現在の石川のFedexCupポイントランキングは148位(21日現在)、シード権獲得の基準となる125位まではあと一歩というところだ。今回経験した成功も失敗も糧としてさらなる成長を遂げ、今度は米国で活躍する姿を見せてほしい。
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