サッカー日本代表を率いるアルベルト・ザッケローニ(Alberto Zaccheroni)監督は、世界で渡り合える集団へとチームの転換を図っているが、15日に開幕するコンフェデレーションズカップ2013(Confederations Cup 2013)では厳しいチャレンジに直面することになる。
アジア王者としてコンフェデ杯に出場する日本は、5日に行われた2014年サッカーW杯ブラジル大会(2014 World Cup)アジア最終予選のオーストラリア戦では後半ロスタイムにCSKAモスクワ(CSKA Moscow)に所属する本田圭佑(Keisuke Honda)がPKを成功させて1-1の同点に追いつき、1試合を残して5大会連続の本大会出場を決めた。
しかし、救世主ともいえる本田がクラブ事情や故障により不在となると、日本代表は途端に不安定さが露呈する。3月に行われた最終予選のヨルダン戦では敵地で1-2、5月30日に行われた国際親善試合のブルガリア戦では0-2と連敗を喫していた。
こうした結果を見ても、組織力がありながらも決定力不足やセットプレーにおける守備力のなさがしきりに指摘される日本が、各大陸王者がそろうコンフェデ杯のグループステージで1ポイントでも勝ち点を稼ぐことができるかが懐疑的になってくる。
日本の入るグループAには、5度のW杯優勝を誇るブラジル、同4回のイタリア、さらにロンドン五輪で金メダルを獲得したメキシコがいる。
「世界を驚かせるために取り組み続ける」と意気込むザッケローニ監督は、過去にイタリア・セリエAのACミラン(AC Milan)やユベントス(Juventus)を指揮した経験を持ち、W杯南アフリカ大会(2010 World Cup)後に日本代表監督に就任した。
「私がやってきたヨーロッパには、世界は決して変わることがないと考える人がたくさんいるが、私は違う。サッカー界最大の舞台で世界のトップチームに対抗できることを示したい」とイタリア出身の60歳は語る。
今季、CSKAでリーグ制覇とロシアカップ(Russian Cup 2012-13)の二冠達成に貢献した本田は、3年以上過ごしたモスクワ(Moscow)を離れて欧州のビッグクラブへの移籍を模索している。上昇気流に乗るなか本田は、「皆さんは、あまり期待していないかもしれませんが、僕は優勝するつもりで行きます」と語り、コンフェデ杯でジャイアントキリングを起こすと誓った。
フィジカル面の強さと視野の広さが備わっている本田は、2010年のW杯南アフリカ大会(2010 World Cup)で2ゴール1アシストを挙げ、海外開催のW杯で歴代最高成績となるベスト16進出の原動力となった。また、2011年の第15回アジアカップ(AFC Asian Cup 2011)では、歴代最多となる4度目の大会制覇に貢献し、大会最優秀選手(MVP)に選出された。ブラジルW杯アジア最終予選では通算5得点を記録している。
ザッケローニ監督からの信頼も厚い本田は中盤の中央を任されており、トップ下を得意とするイングランド・プレミアリーグのマンチェスター・ユナイテッド(Manchester United)に所属する香川真司(Shinji Kagawa)からポジションを奪っている。
指揮官は、ドイツ・ブンデスリーガ1部のバイエルン・ミュンヘン(Bayern Munich)やボルシア・ドルトムント(Borussia Dortmund)、フランス・リーグ1のパリ・サンジェルマン(Paris Saint-Germain、PSG)、さらにユベントス、マンチェスター・ユナイテッドといった欧州のトップクラブのサッカーは一様にアグレッシブだと指摘する。
「サッカーで勝とうと思ったら、あれくらいの激しさ(インテンシティ)が必要だ。私もああいうプレーができるチームに育てていく」
(c)AFP/Shigemi Sato
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