明らかになった、サッカー日本代表の清武弘嗣選手に対する
アストンビラからの移籍オファー。
これに引っ掛けて、少し考えてみたいと思います。
ものすごく人気があるにもかかわらず、なぜか移籍希望者が絶えない
ブンデスリーガのドルトムント。
まず、クラブチームは、永続するために、経済的に潤っていく必要があります。
一方で、強くなって、人気を得ていく必要もあります。
しかし選手の価格は、一時期の暴騰は収まったものの、まだまだ高い傾向にあり、
各クラブチームが好きなオファーを出すことが出来るわけではありません。
このため、中小・中堅チームは育成に重点を置き、育てた選手を
なるべく高い値段で売却し、売却した利益でまたクラブの強化に努める
といったサイクルになっていきます。
一方、ビッグクラブと呼ばれるチームは、常勝を義務付けられているため、
脂の乗った選手を次々に獲得し、チームにフィットしない選手を放出していきます。
最近では、ドイツのドルトムントが、選手を安値で買って高く売ることを
上手くやっています。商売人としては完全に勝ち組でしょう。
例1:香川真司選手
2010年にセレッソ大阪より4000万円で完全移籍させ、
2012年にマンチェスターユナイテッドに15億円で完全移籍
その差額14億6000万円(37.5倍)
例2:マリオ・ゲッツェ選手
ドルトムント下部組織(ユースチーム)からステップアップ。
2013年ライバルのバイエルンミュンヘンに47億円で完全移籍
例3:ロベルト・レバンドフスキ選手
ポーランドのレフ・ポズナンから6億円で移籍
2013年夏バイエルンミュンヘンに30億円で移籍?
商売としてだけ考えれば、完全に勝ち組ですが、戦力強化と言う点では、
いかがなものかと。
ユルゲン・クロップ監督は熱血漢で魅力溢れる人物ですし、
ファンも熱烈で、8万人収容のホームスタジアム
ヴェストファーレン・シュタディオンは常に満員。
他チームに移籍したい要素は、あまり見受けられないんですけどね。
現在はEU内のクラブチームは皆、フィナンシャル・フェアプレー
(要は財政破綻を禁止する制約)があるため、以前に比べて
堅実経営が増え、放漫経営が減る傾向にあります。
ただ、戦力強化と財政改善は、基本的にはトレードオフの関係ですので、
これからも強化担当者は、財務担当者と争いを続けていかなくては
ならないんでしょうね。
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サッカー日本代表 清武弘嗣選手への移籍オファー クラブチームの運営と経営
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