ついに壊れちまった。
最後はずいぶん、
あっけなかったな。
酷い異音がしはじめたと思ったら、
数日後にはロックして、
お前さんは二度と回ってくれなかった。
よく見れば、リムも限界だった。
メンテナンスを怠った
オレの罪だ。
だけど、それを許したのは
お前さんの罪だ。
そうだろう?
オレはいつだって
走るだけで精一杯。
お前さんは永遠に
一緒だって、
勝手に思い込んでいた。
もちろん、
大枚はたけば
修理はできた。
だけど、やめたよ。
パーツを全部取り替えちまったら、
それはもう、お前さんじゃない。
お前さんにそっくりの
誰かさんだろ?
だからオレは・・
バカヤロウ・・
オレは泣かないぜ。
お前さんとの4年間は、
いつでもオレの胸にあるから。
バカヤロウ・・
天国でも地獄でも
好きなトコヘ行っちまえ。
あの世の峠で
神だの鬼だの
ぶっちぎるのも一興だ。
バカヤロウ・・
オレはお前さんのことなんか
思い出さないぜ。
新しい相棒も手に入れた。
お前さんより
真っ赤なヤツさ。
さあ、もう行ってくれ。
バカヤロウ・・
オレの目が赤いのは、
お前さんの
スポークのせいさ・・
アリガトウ・・
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