20日、男子フィギュア全日本選手権がさいたまスーパーアリーナで行われた。 先日のGPファイナルで優勝を飾った羽生結弦は、SP 103.10点と圧巻の演技を披露。 国際スケート連盟の公認記録とはならないものの、非公認ながら自身の持つ 世界歴代最高点を上回る結果を出してみせた。 一方、右すねのケガにより先日のGPファイナルを欠場した高橋大輔は、82.57点で 4位でのスタートとなった。 2位は93.22点で町田樹、3位は90.70点で小塚宗彦、5位に77.72点で織田信成と なっている。 羽生結弦は、まさしく圧巻の演技であった。冒頭の4回転トーループをきれいに 決めると、トリプルアクセルもきっちりと決めた。後半の2連続3回転の一つ目で 回転軸がふらついたものの二つ目の3回転へとつなげた。表現力などを示す 演技構成点も5項目すべてで9点台と抜群の滑りで、底力を見せつけた。 対照的に、高橋大輔は、演技終了後、ぼう然とし、めずらしく無表情であった。 最初の4回転トーループでは、両足着氷となり、続くトリプルアクセルでは、想定外の 着氷後の転倒。 その後も3回転-3回転の連続ジャンプで後半回転不足になるなど、本来の出来とは 程遠い結果であった。 高橋大輔は、11月の下旬、練習中に右すねを痛め、GPファイナルを欠場した。 その後、一週間ほどで練習を再開したものの、足の状態は万全とは言い難く、 一部では「本来ならば棄権するほどの状態」だとも言われている。 これまでの実績から、高橋大輔は、町田樹、小塚宗彦、織田信成と比べ、オリンピック 代表選手選考において有利な状態であることに変わりはないが、 今回の全日本選手権において表彰台を逃すようなことになると、オリンピック出場への 黄色信号が点灯しかねない。 これまで、”日本のエース”として男子フィギュアを引っ張ってきた高橋大輔が、 本日のフリーではたしてどのような演技を魅せるのか、 ”日本のエース”は悲壮な覚悟で、フリーに臨む。
↧